「アフィリエイトは稼げない」…それって、“言葉”に踊らされていませんか?
在庫リスクもなく、イニシャルコストも微々たるものであることから、副業でアフィリエイトを始める人も多いと思います。うまくいった場合は事業モデルとしては優れている点も多いので、最近は企業が参入するケースも増えています。ついこの前、小学館のアフィリエイト参入という象徴的なニュースもありましたね。
ただでさえ「95%は月に5000円すら稼げない」と言われているのに、大企業が参入してきたら個人アフィリエイターはもう無理だ!という視点ももちろんあります。
しかし個人的にはそうでもないな~と思っています。(理由は後述します)
業界の流れはさて置いて、「アフィリエイト=稼げない」と勘違いしている人たちがあまりに多いので、今回はそのへんについて書いてみます。
「アフィリエイトは稼げない」と嘆く人が多い理由
「アフィリエイトは稼げないものだ」と嘆く人は多いですが、考えられるケースは3つあると思います。
1. 魔法のビジネスか何かだと勘違いしている
与沢翼はじめ“ネオヒルズ族”と称されていた怪しい人たちが台頭して、たくさんの情報弱者が踊らされてしまった経緯がありました。(今もあるかもしれませんが)
彼らはメディアに出て「アフィリエイト」やら「ネットビジネス」という言葉を頻りに使いましたが、その結果、「アフィリエイト=ビジネス」という社会認識がなんとなく出来上がってしまったのではないでしょうか。
メディアを通じて“アフィリエイト”という言葉が独り歩きした上に、情報弱者から搾取をする輩は「楽して稼げるビジネス」「片手間で稼げる」という欲に付け込むラベリングをして、高額な商材を売りさばきました。その結果、
「稼げると聞いていたのに…!」
「絶対成功できると聞いて教材を買ったのに…!」
そんな可哀相な人たちが続出してしまったのでしょう。
何か起死回生の夢を見ている人もいるかもしれませんが、断言します。
世の中に「誰でも稼げるビジネス」なんて存在しません。
資本主義社会の仕組みを考えれば中学生でも分かることです。事業者が世の中の役に立つ価値をつくり、選んでもらえるように競合他社と競ってサービスの質を向上する。その摂理の外側で稼ぐ方法があるとしたら、それは“詐欺”と呼ばれるものです。
“世の中への価値の提供”
これが最初にこなければ、ビジネスとして成り立たないし、結果もクソもありません。
超ハイテクなシステムを使って、自動的にサイトを作って放置、あとは何もしなくてもお金が入ってくる魔法のビジネス…ちょっと待ってください。“価値”はどこにあるんでしょうか?
2. アフィリエイト=ビジネスという勘違い
これは個人的にすごく不思議に思っていることなんですが、言葉の意味を考えずになんとなく文脈で捉えてしまっている人も多いようです。
俗に言うアフィリエイトはビジネスの根本ではありません。ただの“収益化の手法”です。だって、「アフィリエイト広告」ですよ。
稼げない人に限って「アフィリエイト」「アフィリエイト」と言葉に踊らされてしまって盲目的になってしまっている傾向があるように感じます。
「ネットビジネス」という人も同じですね。逆に聞きたいです。今、インターネットを全く介していないビジネスが日本にどれくらいあるんでしょうか?
※情報商材のようなやり方に対してのみ、揶揄的なラベルを付けるのであれば賛成ですが、それは「ネット詐欺」という名称で良さそうですよね。
みんなが「アフィリエイト」と呼ぶビジネスの本質はどこにあるのか?
それは「ネットを通じて情報的価値を提供する事業」だと思います。
アフィリエイトというのは単に、成果報酬型の広告モデルのことをいいます。
「アフィリエイトは稼げない/稼げる」と一言で語ってしまう人は、そのへんの本質が見えていないように思います。
- アフィリエイト広告にも大手クライアントが参入してきて、単価が高騰しているので、ジャンルが合えばメディアの収益手段として前向きに検討できる
- このページは検索ユーザーのニーズと広告がマッチするので、アドネットワークのCPC広告よりもアフィリエイト広告の方がEPCが高くなる
そういう視点、要するにマネタイズ手法の一つとして捉えることが本来の在り方ではないでしょうか。つまり、アフィリエイト広告を扱うにせよ、「そのビジネスの本質は人が集まる何かにある」ということです。
ではアフィリエイトサイトは何かというと、「合理的にアフィリエイト広告によるマネタイズを図ることを前提に、ジャンルやターゲットを特化させたサイト」ということだと思います。
余談ですが、価格.comや@コスメも元々は自社で商品を扱わず、「情報をまとめる→ユーザーが集まる便利なサイト→経由して成約したら手数料」なので、本質的にはアフィリエイト広告によるマネタイズに似ていますよね。
3. 単に収益化する前にやめているだけ
これもとても多いケースです。簡単に稼げると聞いたのに…と被害者面する人に多いです。(もしくは本当にネット詐欺の被害者も多いかもしれませんが)
たしかにASPが世の中に出始めてきた黎明期は、ASPのマーケティング的にも「副業」「お小遣い」というテーマだったこともあり、企業がわざわざ参入するような文脈は持っていませんでした。“個人がリスクゼロで始めやすいビジネス”というニュアンスですね。
ただ、冒頭の小学館の話とも繋がりますが、最近は企業の参入もとても増えています。
そうなった以上、大して勉強もせず、独自に発信できる情報価値も持っていない個人が始めたところで、稼げないのは目に見えています。(選ばれない事業者やサービスは淘汰されていくのが自由市場経済です)
構造的に資本力のない個人にはもう無理なのかというと、そうでもないと思います。
大きな企業ほど「参入メリット」、つまり売上のダイナミズムを求める傾向にあります。(小学館もウォーターサーバーやダイエットといった、検索規模の大きな市場にトライしています)
ジャンルとしてパイの大きいものほど、参入者は当然多くなります。SEOで言えば、上位表示も難しくなります。
でも、例えば「ダイエットのポータルサイト」があっても「自分の手作りスムージーを研究して写真付きで紹介しているサイト」も需要があると思いませんか?
マーケティングの基礎用語として「USP(Unique Selling Proposition)」という言葉があります。端的に言うと、独自の強みはどこか?という話です。もちろん、WEBメディアやアフィリエイトサイトを作る場合も例外ではありません。
個人でやるなら、「自分のサイトにしかない情報的価値はどこか」を突き詰めればいいんです。情報の網羅性が求められるビッグキーワードを狙うのではなく、ニッチでも独自のポジションを作ることがポイントです。
その上で、「いつまでは月○○記事のペースで続ける」とルールを決めて取り組むべきです。どの企業のどんな新規事業でもそのくらいは決めて始めます。
資本力がないなら、狭くても独自のポジション、そこにしかない価値をつくる。
お金を稼ぐって、そういうことだと思います。
- サイトの企画・設計
- コンテンツプランニング
- 結果の出るWEBライティング
- 収益化のコツ
などなど書きたいことはたくさんありますが、思ったより長くなってしまったので今回はこのへんで。